以前、こちらの記事に書いた水林章先生の本。結局購入して、毎日1章ずつ、辞書を使わず無理やり読んでいる。
同じプロジェクトのお仲間、コメールさんも購入され読んでおられる。コメールさんは水林先生と同じくらいの世代らしく、水林先生がフランス語の学習に使っていたNHKのラジオ講座のネイティブ講師の名前までご存知で、先生にかなり共感を覚えておられるようだ。だいたい本を入手されたときからすごく感動されている。

私はといえば、ツイターでつぶやいたが、家に届いた本はほこりまるけで、いかにも倉庫のはしから引っ張りだしてきた風情であったので、とりあえずティッシュでほこりをふいたのだ。

そもそも私はそこまでフランス語が好きでもないし、さして共感も覚えず睡魔に襲われつつ読んでいたが、38ページのある箇所で突如目が覚めた。ここは第4章で、水林先生がラジオ講座のフランス語をとにかくリピート、リピート、リピート(レペテと書くべき?)したと書かれている箇所。

時は1970年ころ。先生は番組をすべて録音したかった。しかし、今のようにパソコンもiPodもない時代。水林先生がお父さんに相談したら、なんとお父さんは自分の月給の1/4の値段のオープンリールデッキを買ってくれる。そして直径12センチの丸いやつに録音してたそうだ。デッキも高かったろうが、テープも高かったと思う。

そして毎日朝から晩までフランス語をまねる。

J'étais habité par une folie de répétition.


だそうである。

聞こえたとおりに、まわりの人間は誰一人理解しない音を自分の口からえんえんと発する。そのさまはまるで、

ここ38ページ下のほう。

Un peu comme Antoine Doinel qui, dans Baisers volés, répète indéfiniment son nom et celui des femmes qu'il aime devant le grand miroir de la salle de bains.


アントワーヌ・ドワネル!!

トリュフォー!!

このシーンです。



水林先生に少し親近感を感じた。